2022年は老人介護事業者の倒産が過去最大だった件

先日、介護施設の3割が廃業や倒産!?というブログを書きました。内容自体は『物価高や光熱費の高騰の影響で、「このままでは数年で事業の廃止や倒産の可能性がある」と答えた事業者が3割弱』というものでしたが、実際に2022年の「老人福祉・介護事業」の倒産件数は、過去最多を記録してしまったようです。

件数としては143件、2021年比でなんと1.7倍

というと、なにか介護業界に何かとんでもないことが起こっているのでは!?と思ってしまいますが、一旦冷静になりましょう。東京商工リサーチさん作成の下記グラフをご覧ください。

介護

2021年の倒産件数が極端に少ないですね。このため、2022年との比較になると『1.7倍の倒産!』とかになってしまうわけです。ニュースとしてのインパクトはあるんですけどね。視聴者を煽るだけの昼のワイドショーじゃないので、もうちょっと考えていきましょう。

なんで2021年の倒産件数が減ったのか?

これはもう、コロナの支援金による延命ですね。で、コロナ支援金がなくなってしまったorそれでも体力が尽きた法人・事業所が2022年に倒産してしまった。ということなんだろうなあと思います。

コロナ以前から老人福祉・介護業界は倒産件数が増加していた。

老人福祉・介護業界の倒産件数は、2016年からずっと年間110件程度で推移してきました。倒産原因は、東京商工リサーチさんの記事にもあるように、『人手不足・競争激化・市場拡大と見た安易な新規参入組の脱落』です。「勝ち組&逃げ切りの最後のチャンスです!」とか言って、新規参入を煽るセミナー業者の話は、またいつか別の機会に書きますからひとまず落ち着いてください。

2021年倒産の81件+2022年倒産の143件を2で割ると、年間112件。2016年からの倒産件数と変わりませんね。要するに、2021年に倒産してたかもしれない法人が、コロナ支援金で1年だけ延命したけど、どうにもならなかったので2022年にバタバタと倒産したということです。

とはいえ、長引く人材不足や、コロナでの施設やサービスの利用控え、物価高と光熱費高騰というアンパンしょくぱんカレーパンのトリプルパンチもかくやという状況のなか、健全な経営をしている介護事業者の体力も削られてしまっているのもまた事実です。介護事業は公定価格なので、経費が上がっても価格転嫁が難しいんですよね。

やはり、基本であり王道である『競合の事業所と差別化を図り、利用者と人材を集める』という地道な努力が重要かな、と思います。

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ビーオンウェブ合同会社代表。MBA ろう者と聴者のプロ人形劇団デフ・パペットシアター・ひとみのプロデューサー/マネージャーとして活動する中で、日本各地の障がい者やその支援者と親交を深める。その後、ウェブマーケティング会社などの勤務を経て独立。ひったくりを捕まえて警察から表彰されたことも。
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